今年で日本国憲法施行60年ということで、参議院も開設60周年になります。それを記念して、昨日(19日)と本日(20日)の2日間「特別参観」が行われ、普段は見学出来ない場所も見せてくれました。
見学は予約不要、当日時間内に来場した人は正門で順に整理券を受け取り、整理券の番号ごとにグループで入館します。
入場までの待機場所として中庭にテントが設けられ、直射日光を避けて腰掛けて待つことが出来ます。私が訪問したときはテント内に入りきれる程度で、待ち時間も20分程度でしたが、更に混雑した場合には道路を挟んだ向かいの憲政記念館敷地内に待機させる手はずになっていたようです。炎天下に立ち通しで待たされることの無いよう配慮されていました。
整理券の番号を呼ばれると、中央玄関近くの集合場所に整列します。同じ番号の整理券を持つ人たちが揃うと係員の先導で中央玄関より議事堂の建物内に入場します。
この正面玄関は、国会の開会式など特別な日にしか使用されません。普段は議員や大臣といえども左右に設けられた衆議院・参議院それぞれの玄関から出入りし、ここから出入りすることは出来ないそうです。
正面玄関を入った奥のホールの四隅には日本の憲政の創生期に活躍し、近代国家の仲間入りに貢献した板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像と、像の立っていない空の台座が置かれています。
台座の1つが空になっていること意味については諸説があるようですが、「憲政はつねに未完成の物」という意味が込められていると言う解釈が興味を引きました。
画像は見学コースを進んで2階に上がってから吹き抜けのホールを俯瞰して撮影したものです。この写真に限らず、館内で撮影した物はコンパクトデジタルカメラでは光量不足で画像が不鮮明なこと、ご了承下さい。せっかくのチャンスだったので、少しぐらい重くても一眼レフを持ってくれば良かったと後悔しました。
日本国憲法については昨今改正すべきか護持すべきか、という議論が盛んに行われています。それぞれの主張にはそれぞれの理があると思われますが、60年間日本の国の基本法として国家の根幹をなしてきた憲法ですから、僅か数年の拙速な議論で結論を出すのはいかがな物かと思います。
国際社会の中で日本が果たしてきた役割、今後果たすことが期待される役割を良く見定めた上で、本当に現在の憲法ではやって行けない、ということに多くの国民が納得するなら改正すればよいし、そのような納得を得られないなら現憲法の下で出来ることをしていくのが国家のあるべき姿であると思います。